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Sage Plaisir J

2003/02/17

[ゲームボーイ・アドバンスでコンテンツを見るアダプタを発表]

2003年 2月4日、am3は、ゲームボーイ・アドバンスでスマートメディアに 入ったコンテンツを見るためのアダプタを発表した。 コンテンツは、 コンビニなどに設置された装置を使ってスマートメディアに書き込む予定。 コンテンツは、e-Book, e-マンガ, ミュージッククリップなど。 アダプタは¥2800, 専用スマートメディアは¥2000。コンテンツは¥200から。 当初は、アダプタ+メディア+コンテンツをセットにしたものを売る。 著作権保護技術を持つ。

電子書籍は、かなり以前から未来の書籍として注目され続けてきたが、 依然として普及していないのが現状だろう。 これは、ペーパーレスが 実現されていないのと同じ理由があると考えられる。

電子書籍は形がない。 インターネットで手軽にダウンロードできても、 それが有形のものではないから、どうしても財布をきつくしてしまう。 それに、通常は著作権保護技術のために、使い慣れている インターネット・ブラウザが使えないため、そのコンテンツが心地良く 見ることができるかが心配になってしまう。 フォントが見にくかったり、 画像の解像度が高すぎたり低すぎたりすると、単に読んでいくことさえ 面倒になる可能性がある。 新しいメディアは、このハードルを超える 必要があるが、今回のものはどうだろうか。

コンテンツは、スマートメディアというデジカメのメディアの一種に 入れられる。このメディアは非常に薄いという特徴があり、CDやMD と比べると非常にコンパクトだ。 当初は、このメディアにコンテンツが 入ったものが発売されるということから、CD や DVD と同じ感覚で 買うことができるだろう。

問題は値段だ。 CDは、CD-Rでさえ¥60で済むので、CD と同じような 価格帯を狙うのであれば、コンテンツにお金をかけることができない。 発表でも、コンテンツは¥200からということなので、シングルCDと 同じぐらいの内容になると予想される。 ただ、宣伝を兼ねた、 CD/DVD付き書籍のようなコンテンツであれば、この値段でも可能だろう。 しかし、ユーザにとっては、それはオマケ=タダという感覚がある。 宣伝のようなコンテンツを目的としてわざわざ購入することは ないだろう。 DVD さえ、PS2が登場しなければ、プレイヤーが普及 しないために、現在のように普及しなかっただろう。 スマートメディアのために、専用アダプタが必要だということは、 普及のために同様の壁があるということだ。 ゲームボーイのカセットを メディアにしなかった理由はどこにあるのだろうか。 スマートメディアを CD/DVD の延長として考えることは難しそうだ。

MDは、個人で好きな音楽を録音できるという特徴がある。スマート メディアもその特徴を生かすことができる。 しかし、 MDは、録音ができるから普及したのではない。 テープというメディアに比べて、デジタルの音の良さ、ランダム アクセスによる扱いの簡単さ、ディスクのカッコよさ、などが あったから普及したと私は考えている。 スマートメディアには映像を入れることをメインに考えていると いうことなので、CDに対するMDのように、DVD(VideoCD)に対する スマートメディアと考えることができるかもしれない。 しかし、著作権技術の関係で、個人で好きなコンテンツを入れる ことはできないようにしているという。

秋葉原では、地味ながら、MDに音楽をダウンロードする自動販売機が 置いてある。 あまり普及しているとは言えないが、好きな音楽を 通常のシングルより安く売っているので、うまく活用すれば 少ない小遣いの中で多くのコンテンツを楽しめる。 おそらく、今回発表されたスマートメディアでは、このような 使い方を想定していると思われる。

コンビニでゲームを販売しているのはご存知だろう。 映像でゲームの CMを流しているアレである。 しかし、最近はその放送をやめたことに 気づいただろうか。 大作ゲームの予約は、順調に行われているようだが、 それ以外は、あまり順調ではないと思われる。 チケット予約が できる端末を置いているところもあるようだが、置いてないところが 半数以上だ。 電話や店員に頼むことでチケットを購入できるように しているところが主流だろう。 端末にお金をかけていられないのだ。

動画の品質はどうだろうか。ゲームボーイ・アドバンスの解像度は、 240x160ピクセルなので、テレビの半分だ。データが圧縮されているし、 ゲームボーイの性能から見れば、滑らかな動きも期待できないだろう。 実物を見たわけではないので、意見を言える立場ではないかもしれないが、 ゲームボーイで映像に期待する人はいないだろう。 映画の販売も DVDが普及して初めて普及したことを考えると、 動画コンテンツを買う行為は、非常にハードルが高い。 (もちろん、解像度以外にもハードルはあるが。) この解像度では、マンガを見るのも不可能だろう。解像度に合わせた コンテンツに移植するには、コストが高すぎる。

電子書籍はコストをかけずに移植できるだろう。 ゲームボーイ・アドバンスは、主に子供が持っているため、 コンテンツは子供をターゲットにしたものになる。 アニメやゲームとメディアミックスした小説がいいだろう。 重要なのは、挿絵だ。低い解像度で、いかに表現するかが問題だ。 ゲーマーをターゲットにするなら、攻略情報やスーパープレイ映像を コンテンツにするといいかもしれない。 携帯電話の電子書籍サービスは以前からあるため、やはりターゲットは 携帯電話を持てない子供になるだろう。

ゲームボーイアドバンスだけで、コンテンツが見ることが できるのであれば、電子書籍として大きな市場が誕生することに なるのだが、残念ながらアダプタとメディアが必要だ。 ソフト1本分の値段で買うことができるのだが、それに見合う コンテンツがあるのだろうか。

[画像へのリンク]。
http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/news_toppage/12681.html


Keyword解説

『電子ペーパー』

書き換え可能な薄い表示装置。 この実現にはさまざまな方面からアプローチがある。

紙の軽さと薄さと解像度に注目し、薄い材質の中に、トランジスタを 埋め込んたもの、トナーが埋め込まれているもの、紙のように 薄くした液晶などがある。 動画を再生できる薄い液晶もあるが、紙の特性ではないため、 電子ペーパーと呼ぶことは少ない。

電力を必要としないことに注目し、内容を変更するときだけ、 電源とつながったアダプタをつけるものがある。 JRのSUICAの 定期券の文字は、電子ペーパーの技術が使われているという。

ペンで書けることに注目し、薄型のタブレットPCも電子ペーパーと 呼ぶこともある。 タブレットPCは、印刷先に Windows Jurnal 形式 のファイルを指定することができ、こうしてできた電子ペーパーに ペンで自由に書き加えることができる。


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Sage Plaisir CM

SVG Cats 1.2 は、次の新しい機能を追加します。 複数行文字列、グリッド、用紙サイズガイド、 大きなキャンバス、全体縮小表示、エラー時自動保存など。 完成は、2月末の予定です。
http://www.sage-p.com/svgcats.htm


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