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2003/06/30

[全米レコード協会がファイル共有の個人を対象にした訴訟活動を開始]

2003年6月26日、全米レコード協会(RIAA)は、WinMX等のファイル共有ソフト を使って違法にファイルを共有している個人ユーザに対して、訴訟を起こす ための証拠集めを開始すると発表した。早ければ8月にも訴訟を起こすという。

ファイル交換ソフトは、匿名性をある程度持っているが完璧ではない。 RIAAは、証拠集めとして特殊なソフトウェアをネットワーク上に配置し、 公開されているディレクトリをスキャンしていくという。 検出されたアカウント情報をもとに、ISP(インターネット・サービス・ プロバイダ)から住所情報を取得し、本人を特定するという。 なお、ISPが個人情報を公開することに一見問題がありそうだが、 デジタルミレニアム著作権法(DCMA)によってRIAAの行動は認められている。

ファイル共有ソフトは、バージョンアップを繰り返し、匿名性が ますます上がってきている。 このファイル交換ネットワークを 無くすことは不可能になっていると言う見方が多くなってきており、 各種コンテンツ・プロバイダは、逆にそのネットワークを利用した 宣伝を考慮しているところもあるという。

しかし、これはイタチごっこで、突然匿名性が破られる技術が現れる 可能性が無いとも言い切れない。 古いソフトを使っていると、 本人が知らない間に証拠が集めれれ、ある日突然告訴されることも 考えられる。 RIAAが証拠を集める方法はもちろん非公開だ。 日本が対象になることは無いだろうが、JASRACが参考にすることは 間違いない。

ファイル共有ソフトが普及している理由は、無料で違法にコンテンツが 入手できるだけではない。 アーティスト名を入力するだけで、 コンテンツが一覧でき、簡単な操作でダウンロードできるのも理由の 1つだろう。 たとえば昔買ったCDが見つかったら、倉庫から取り出すのが 面倒だから、ファイル共有ソフトでダウンロードしてしまうことも あるだろう。 現在、ネットワークの音楽コンテンツが売られているが、 独自のブラウザを使う必要があるなど、扱いが面倒だ。 CCCDの普及により、 ネットワークコンテンツになっていないアルバムがパソコンで聞けない こともある。 このときに、ファイル共有ソフトを使うこともあるだろう。 これが違法であるかどうかは分からないが、訴訟の対象になると考える ところが多いだろう。

タダでさえ、音楽コンテンツの売り上げは、DVDなどのコンテンツに比べて 市場規模が小さくなってきている。 ファイル交換ソフトの普及も 1つの原因だが、DVDの普及などによりCDの価格が高いと見る人が 多くなったのもあるだろう。 しばらくは、RIAAの動きに注目と言うところだ。

[リンク]。
RIAA、違法ファイル共有の個人を対象にした訴訟活動を開始。
http://internet.watch.impress.co.jp/www/article/2003/0626/riaa.htm


Keyword解説

『アカウント』

もともとの意味は、ネットワークに接続する(ログインする) ための権利のこと。『ファイルにアクセスするためのアカウント がありません』はこの意味だ。

一般には、ユーザIDのことを指す。メールアカウントでは、 @ マークより前の部分を指す。『アカウントを入力してください』 はこの意味だ。 UNIX系OSでは、ログインIDとメールアカウント が一致する。 ログイン用パスワードとメール送受信用パスワード も一致する。


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