●NHKスペシャル「マネー革命」を見て 〜実はあるプログラマの人生論だったりする〜

デリバティブは、馬券のようなものだ。 馬の状態や実績を見て勝つか負けるかを予想して 掛け金を払って投資するわけだから、 大義名分は違えと、そこに通じる法則は同じだ。 ただ、現金を持たないで暮らすわけにはいかないので 毎日馬券を買っているようなものだろう。 高い財産を持っている人ほど、毎日たくさん 馬券を買っているようなもんだ。

だから、株価が安くなるということは、 馬券を買った後で連続して馬の調子が悪いことが わかったという状態だろう。 だた、1ゲームで終わるわけにはいかないので、 すばやく財産を減らし(売って) 毎日馬券を買う量を減らさないと 大量の損失が出る。 いわゆる、すばやく火種を消して被害額を 少なく抑えるということだ。

しかし、すばやく火種を消そうとしているところを ねらう悪者もいるのが自由経済。そこでは、 原始時代のような(スピードの)力の世界である。 ハッカーがはびこる世界である。 果たして、人類の希望はハッカー的なスピードを 求めているのだろうか。力を求めているのだろうか。 力に対して、より強い力を持ってしまうと、 世界大戦が起きてしまい、いずれ人類全体が 被害を受けることになってしまう。 なぜ、現在の大国は戦争をしないのだろうか。 それは力を使って一時的に自分が得しても いずれ自分も損するだけだからだ。 つまり、力はそれほど価値のあるものではなくなって しまったのである。あとは、ゲリラのような (一時的に)狂気の状態を抑えるだけだ。

日本では拳銃を持っていないために 狂気な事件は少ない(と思う)から、 民間人は、力を持たないほうが危機は 誰かによって制御できる。 これをマネーゲーム界に当てはめてみよう。 一般の銀行や投資家は、ある一定以上の 早さ(取引額/時間)を持たせることを禁じるのである。 ここでポイントとなるのは、限度をどう設けるかだ。 ある金額を限度とすると、これまた問題が起きる。 たとえば、30年前に100万と決めたら、 いま、100万では大した取引が出来なくなってしまう。 だから、たとえば、所得税のように高い利益を出した者ほど、 高い割合でお金を国家に渡さなければならないとする。 そうすれば、たとえ国家に渡しても少しでも 儲けが欲しいという資本主義の希望は残るわけだ。 時代によって割合も変化するだろう。

さて、ここで国家が出てきたわけだが、 いまの国家は銀行(一般人)とほぼ同じ経済ルールで 動いている。つまり、一般人も拳銃を持った状態だ。 これではまずい。 国家が特別な力を持ってお金を回収しなければならない。 それも取引のスピードを抑えるように。 その特別な力が実は(言葉の印象は悪いが)税金だ。 その税金によって銀行より常に強い財力を 持たせる原理を持たせれば良い。 税金はいわゆる財力と異なるメタな概念だ。 たくさんの馬券を使う人ではなく、 競馬場の立場になるためだ。 いくら大金持ちでも、競馬場のお金は コントロールできないのである。

そして、国家はお金を儲けても、その利益をリスクの高い 再投資に全力を使うことは多分しないだろう。 自分が国の発展のために発行したものだから。 しかし、税金を私欲に使い者がいるために 国家公務員は非難される。たとえ、正当な仕事をして 儲けたとしても、金が個人に渡った瞬間に 国のもので無くなるのだから。 だから、そのお金は公開が原則である。 (現状もそうか)

結局、国(会社)の財産(株)が他人に渡ってしまうと、 国の資産が他人に操られてしまうのだから 国の危機という状態になるのだ。 だから、最終的には国に集まるような仕組みが無ければ、 国はつぶれてしまうだろう。 そういえば、損失を国が背負うのだから 利益も国が関係しないと財政難になるのもあたりまえだ。

現代は、世界経済時代。 外国同士の取引の税金もその金を発行した国へ行くようにする。 国外でも取引され、国の目の届かない闇の取引もあるだろう。 しかし、大きな金の流れというものは、 よくニュースで脱税疑惑が見つかるようなものだから、 国の資産が他人に操られるほどの力は持てないだろう。 さて、脱税を隠す国が現れて、国家間の争いになるかも知れない。 そこは、第3国が監視するようにすればいい。 独占禁止法に従って。その監視は国際機関か。 こうして、金に変わる基準価値が世界各国で 維持できるようになるだろう。

利益は、独占してはいけない。 人類の利益は人類に還元し、財産を全人類が共有するために。 銀行やゼネコン、将来の情報産業だけでなく、 根っこの一般人が直面しているしょうもない社会問題に 水を与え還元すると。タダでやるんじゃなく、 根っこの財産を育てるために。 ここで言っている利益は馬券ではないことは当然でしょ。 財産を分配するのは、銀行の役目。 単なる配達人。つまり、半分国有企業。 やることに規制緩和して、利益には規制をかけると。 マネーゲームに勝つために能力を使うのではなく 価値を守るため価値を生み出すために能力を使う。 自衛隊みたいに。 儲けて金額を守るのではなく、金額の価値を守るのが仕事。 公的資金が投入されるから当然。

いわゆる株価暴落というのは、株の価値が下がるのではない。 バブルによって下がりすぎた金(数字)の価値が戻るから下がるのだ。 株を扱っているものたちすべての人の罪だから、 その銀行を救済するのではなく、その銀行の 口座を持っている人に直接国から救済する必要がある。 普通預金口座を持っている人が金を下ろそうとする金額を すべて保証する。そして、別の銀行に口座を移すのが良い。 こうして淘汰されなければ時代遅れになる。

さて、これで財産インフラが安定してしまっても良くない。 働いて大金を手に入れたいという欲望と希望は 残しておかないと。時代の最先端の出番が回ってきた人が 利益を得る希望を持たないと人類は発展しない。 そこで調整インフレ。調整といっても景気を判断して 量を調整していては、それを利用する悪者がいるのも 自由経済。単純に常に一定の割合であればいい。 それが信用という価値を生むのだから。

あと、いま馬鹿にされている商品券構想。 パチンコのカードのように偽造される可能性を 完全にカットできれば、商品券を配る手間も職となる。 しかも、地域経済を活性化する。 いま僕は東京の端に来ているが、近くにいい店がないので 約1時間かけて都心に向かっている。 みんなそうだから、地域は発展しない。 しかし、地域の不便さはそれだけじゃない。 別の地域の人とコミュニケーションが取りにくいのだ。 そこで、マルチメディア。飛行機はコミュニケーションを 広げたが、それは中央により集まることが出来るように なっただけで地域空港が出来ても地域は発展しない。 そこで、やっぱり、マルチメディア。

何か話がずれてきたので、話を戻します。 結局言いたいのは、金は人類発展のための道具であること。 金をもてば力が手に入るが、力は個人(一部の集団)が 独占してはいけないこと。財産をみんなに与え、 面倒を見ていいかっこしいことをすること。 ゆっくり生きて、激しく楽しむこと。

デリバティブのデリバティブに勝つのは本来の価値かも しれないことは、じゃんけんが教えてくれる。 メタレベルが3段を超えるとメタでなくなることは, オブジェクト指向のメタメタクラスの発想の ばからしさと使えないことからもわかる。 未来を予想する公式も、その公式を踏まえた公式も メタメタクラスのじゃんけんの原理で相殺される。 そんなゲームの利益は制限しないといくら天才でも その中にいれば欲におぼれてしまう。

技術は、最先端の先に問題があって、さらに技術を磨く。 儲ける先の儲けと違うのは、リスクが拡大するかしないか ということと、利益も拡大するかしないかということ。 マネーの利益に対する制限が、マネーと技術を 同じ性質のものに変えて行く。 ハイリスク・ハイりターンは危険だ。かといって 預金のような安定も発展がない。

いま、マネー業界は、バグの入った Windows と同じだ。 Micrsoft の利益と引き換えに全世界に迷惑をかけている。 はたして、この理論はバグを取れるのだろうか。 取れるわきゃないか。失礼しました〜。


written by M.Toda from Dec.13.1998