アカウント

もともとの意味は、ネットワークに接続する(ログインする) ための権利のこと。『ファイルにアクセスするためのアカウント がありません』はこの意味だ。

一般には、ユーザIDのことを指す。メールアカウントでは、 @ マークより前の部分を指す。『アカウントを入力してください』 はこの意味だ。 UNIX系OSでは、ログインIDとメールアカウント が一致する。 ログイン用パスワードとメール送受信用パスワード も一致する。


アプレット

小さなアプリケーションのこと。一般には、Javaで作成された アプリケーションのことを指すことが多い。

Javaで有名になった用語だが、Windows3.1の時代からアクセサリ についている電卓やメモ帳などの小さなアプリケーションも アプレットと呼んでいるという。 マッキントッシュでは、 AppleScriptやNewton(Palmの元となったPDA)のアプリケーション をアプレットと呼んでいる。

〜レット、に「小さい」という意味がある。ノートパソコン・ リブレットも同じ意味で付けられているが、これも時期的に 見れば、Javaアプレットの影響を受けていると思われる。


イーサネット

インターネットに接続するときに使われるネットワークです。

イーサネットは、IEEE(米国電気電子技術者協会、Institute of Electrical and Electronics Engineers)による規格です。 10Base-5, 10Base-T, 100Base-T などさまざまな企画がありますが、 現在主流になっているのは、100Base-Tです。

はじめについている 10や 100は、1秒に最高何メガビット通信 できるかということを表しています。末尾の数字5は、ケーブルが 500メートルまで伸ばせるという意味です。末尾のTは、 電話(Telephone)と似たコネクタを持っているという意味で、 数十メートルまで伸ばせます。

イーサネットのコネクタは、電話線が4ピンに対し、イーサネットは 6ピンになっています。このため、物理的に電話線につなぐことは できません。

もともと、LAN(近い距離でのネットワーク、Local Area Network) に使われていたものです。LAN 同士をつなげた WAN、WAN 同士を つなげたインターネットと拡大していったため、インターネットでも これが使われています。


エミュレータ

あるシステムの上で動くアプリケーションを、別のシステムでも 動くようにするためのプログラム。

古いシステムから新しいシステムに移行する際には、必ず エミュレータが存在する。Windows でさえ、古い Windows プログラムは、新しい Windows で動くエミュレータで 動いている。


オープンソース

プログラムの設計書であるソース(ファイル)を公開すること。 (ただし、ソフトウェアの改変や再配布の自由を認めるものと 認めないものが存在するなど、厳密な定義はそれぞれの ライセンスを参照する必要がある。)

ソースを公開すると、技術が漏れてしまうので、一般に公開 されることはありませんでした。しかし、最近では、ソースを 公開するプログラムが多くなってきています。これは、技術を 共有することで、更なる技術発展につながることが、分かって きたためです。最も象徴的なのは、Linux でしょう。

オープンソースという用語は、インターネット・エクスプローラに 押され気味だったネットスケープが、ネットスケープをベースに して、オープンソースのブラウザを開発していく Mozilla プロジェクトを立ち上げたときに普及しました。 そのころ、オープンソースは、GPLが定義するフリーソフトウェア (無料)とほぼ同じ意味でしたが、最近はそうでもなくなっ ています。

マイクロソフトにも影響を及ぼし、共有ソースライセンスが できましたが、思想はかなり違っています。自由な技術の発展を 目的としたものではなく、特定の相手に対して、デバッグの効率を 上げることを目的としています。つまり、マイクロソフトが パートナーと判断したた特定の相手に対してのみ、ソースの 閲覧だけを許可しています。


仮想マシン

これまで、ハードウェアが担当していたものをソフトウェアで 作ったもの。 エミュレータとほぼ同じ技術だが、仮想マシン には、エミュレータが対象とする、オリジナルが存在しない。 多くの場合、Java VM や、.NET Framework を指す。

ハードウェアは並列処理を得意とし、ソフトウェアは製造コスト が安くなる。 従来、ハードウェアだったプロセッサや、 ソフトウェアだったアルゴリズムは、両者の長所を組み 合わせた構成に技術は進化していく。


クロスライセンス

ライバルメーカーの両者が保有する特許等を相互に利用できるように して、その権利を行使しないようにすること。ただし、両者の 価値が同等でないと、合意に至らないことがある。

マイクロソフトは、PCメーカーと、Windowsのバンドル権を与えると 同時に、メーカーの全ての特許権をマイクロソフトに主張しないという クロスライセンスを交わしていた。司法省はこれを、独占禁止法などの 点から、同等の価値ではないと判断し、ライセンスを改めさせた。


ジェスチャー

身振りや手振り。 人間相手に意思を伝えるだけでなく、システムに 命令するときの1つの方法でもある。 システムに入力する場合、 指先やペンやマウスを使って、ある記号をパッドに描く。

タブレットPCが普及すれば、主要な入力方法になると予想されるが、 キーボードのカーソルキーの位置にパッドを設置する手もある。 ジェスチャーを入力するパッドを採用すると、手をそこから あまり動かさずに済む特徴がある。

マウス操作にパッドが使われることがよくあるが、ジェスチャー 入力とは、別のパッドにした方がいいだろう。

ジェスチャーの記号は抽象的なものになりがちだ。 主なものは 抽象的でもいいが、多くは文字を模倣したものがいいだろう。 たとえば、ファイルを保存することを指示するとき、Sの字を 書くものが多いが、S をファイルの保存の専用にするのは もったいない。 キーボードで Alt+F+S を入力するように、 Alt記号、F、S を Palm のように入力できればいいだろう。 覚えるものは、ほとんど無い方がいい。


ジャイロ

回っているコマが乗っている台の向きを変えると、コマの角度が 連動して変わることを利用して、方向を検知する装置。 ジャイロスコープのこと。 コマを使った機械式の他に、周回しているレーザーのタイミング を測る高精度な光学式ジャイロや、水晶振動子などでコリオリ効果を 利用した振動式ジャイロがある。

カーナビや手ぶれ防止カメラで使われて続けたため、最近は非常に 精度が良くなっています。 小型化も進んでいますが、物理現象を 使っているので、半導体ほど小型軽量化は進んでいません。

[画像へのリンク]
http://www.murata.co.jp/articles/9089.html


心像

辞書的な意味は、記憶・想像などにより、現実の刺激なしに意識に生じる 直接的な像のこと。 しかし、人間は、あらゆるものを心像に介し、それを 単位にして認識している。 概念を理解することは、心像が出来上がることと 同じこと。 五感の興奮状態の構成によりシナプスが形成され心像が できあがるので、見まねして体感することが学習の基本である。

参考:「わかる」とはどういうことか、山鳥重著、ちくま新書


スキーマ

データのフォーマットのこと。データベースでのデータの種類や データのサイズなどによって示されるデータ構造のこと。 XMLではDTD。

Aさん、東京都、1230円、{ 1, 1, 0, 1 } というデータがあるだけでは、データを処理することができない。 1つ目の項目が、「名前」で「文字列」ということが分からなければ、 「Aさん」というデータを扱うことができない。 名前を検索する プログラムは、データの1つ目が名前であることがわかって いなければ検索ができないのである。


スキミング

クレジットカードの読取装置に細工をしてクレジットカード番号などの情報を 盗むこと。 カード自体は無事なので、盗まれたかどうかはわかりにくい。 カードに入っている情報を暗号化できる IC カードにして、認証サーバに到達 するまでセキュリティが確保されていれば安全である。

インターネットの場合、暗号化されていないよく分からないサイトに、 クレジットカード番号などを入力するのはもちろん危険である。 SSL暗号の場合、入力した情報が暗号化されているだけでなく、 認証サーバが認定したサイトでなければ、ブラウザのステータスバーに 鍵のアイコンが表示されることはない。


ストリーミング

映像や音楽の全体が入ったファイルをダウンロードするのではなく、 映像や音楽の一部を順次受信して流す通信方法。

ダウンロードと異なり、すぐに再生を始めることができる。 また、ハードディスクに残さないので、著作権的にも安全である。 ただし、配信側には映像ファイルを置いておくだけではダメで、 専用のサーバ・プログラムが必要である。


スパム

日本では迷惑メールと呼ばれていますが、外国では SPAM(スパム) と呼ばれています。正式には、UCE(Unsolicited Commercial Email = 勝手に送られる宣伝メール) や、UBE(Unsolicited Bulk Email = 勝手に送られる大量のメール)と呼ばれます。

スパムの語源は、Hormel Foods 社の缶詰の商品名をネタにした コントであると言われています。

レストランのメニューには SPAM が入ったものしかないのかと、 ウエイトレスと口論していると、後ろにいたバイキングたちが 「SPAM、SPAM…」 と歌を歌い出し、それにかき消されて会話が 続けられなくなってしまった、というものです。

数年前までは、スパムメールという言葉がよく使われていましたが、 携帯電話のメールが普及し始めて日常会話で使われるようになり、 日本独特の「迷惑メール」という言葉が生まれたようです。 このことからも、コンピュータ用語がわかりにくいことを 表しているようです。

参考: spam 考古学


セキュリティ・ポリシー

組織が作成するセキュリティに関する基本的な指針。

指針を示しても技術的、法律的にセキュリティが確保される わけではないが、明示したことが事実と合っていることで 信用が得られる。 牛肉の産地の表示が事実と合っていない ために信用を失って損失を受け、法律が強化されたように、 表示には効果がある。 ただし、すぐに社名を変えるところや、 認知度の小さい企業では、あまり効果は無い。


相対パス

ある場所を基準として、相対的にファイルの場所を示すもの。

ファイルを指定するには、ファイル名や、URLなどを使う。 たとえば、c:\Windows\notepad.exe は、C ドライブの Windows フォルダの中にある notepad.exe ファイル、 http://www.sage-p.com/arcf/index.htm は、www.sage-p.com という名前のサーバの arcf フォルダの index.htm ファイル を示している。

同じ名前のファイルが別のフォルダには入って いることもあるので、ファイルを一意に決定するためには、 c: や http: から完全に記述しなければならない。 これを絶対パスと言う。

しかし、フォルダを別のフォルダに移動したり、環境によって インストールするプログラムの場所が異なったりするため、 実際はある基準となるパスから相対的に指定することが多い。 これを相対パスと言う。

たとえば、http://www.sage-p.com/arcf/index.htm から http://www.sage-p.com/index.html へのリンクを相対パスで 指定するには、../index.html と記述するのだ。.. は親 フォルダという意味だ。


粗結合

マルチプロセッサにおいて、あるプロセッサのコアから 別のコアまでの距離が長いもの。反対語は密結合。

CPUは、キャッシュメモリ、メモリ、記憶装置とだんだん 距離が遠くなるが、結合するのが、キャッシュなのか メモリなのか、更にはイーサネットなのかによって、 性能もプログラミングも異なる。


地上波デジタル放送

現在、地上波のテレビ番組で使われている電波のフォーマットを MPEG のようにデジタル化することで、高画質で双方向データに 対応した放送。 2003年末に3大都市圏で開始、2011年にはアナログ放送が 終了し、完全にデジタルに移行する。

いくつかのものは、現在の装置をそのまま流用できる。 アンテナは現在使われている UHF アンテナがものが使える。 テレビも現在のものが使える。 そして、最も重要なのは、現在メインになっている地上波の 放送が、そのまま地上波デジタルで放送されるということだ。

ただし、チューナーは別途購入しなければならない。 国民全員に大きな負担を与える大変な出来事と思われるかも 知れないが、地上波デジタルは、数が出ることがほぼ分かっているため、 CSのチューナーと同じ値段かそれ以下になることが予想され、 それほど心配しなくてもいいだろう。

画質が良くなるのはもちろん、ゴーストも現れなくなる。 都会を走る自動車の中で受信できることが確認されている。 しかし、高画質であることは、著作権にもかかわる。 デジタル情報をそのまま記録できてしまえば、DVD を 買う動機が1つ無くなってしまう。 おそらく、著作権 保護技術が導入されてくるだろう。 現在、ビデオに 集めているジャンルの放送が、将来、タダではコレクション できなくなる可能性があるだろう。


ディストリビュータ

販売代理店や小売業のこと。 ユーザサポートや法律決済関係を担当する。 日本では、Linuxの販売をしているところをディストリビュータと呼ぶようになり、 広がってきている。 とくに Linux については、単に販売だけでなく、 独自のソフトをつけていることが多い。 プロバイダも一種のディストリビュータ である。

ちなみに、ねずみ講はディストリビュータだ。 開発や製造をしなくても 誰でもなりやすいと思われやすいからだ。 ベンチャーが多いが、 成功するのは非常に少なく、大手の看板を持ったところが有利な業種だ。


デバッガ

プログラムに問題があったとき、プログラムを少しずつ実行 したり、処理を一時停止してそのときのデータを覗き見たり することで、問題点を見つけ出す手助けをするツール。

問題点(bug)をなくす(de-)ツール(-er)なので debugger といいます。

大きなシステムであっても、全体をいくつかの部分に分割して、 問題点を絞り込んでいけば、問題点を見つけやすくなります。 デバッガは問題点を絞り込むために使用します。

オフィスアプリのマクロに対するデバッガもあります。

ただし、デバッガは、問題点を見つけ出す「手助け」をするだけで、 問題点を見つけ出すことはしません。そのため、どのような 方針で問題点を見つけ出していくかが適切でないと、 いくら強力なデバッガを使っても問題点はなかなか見つかりません。


デフォルト

何も設定を行わない状態で設定されている設定のこと。 工場出荷時設定やリセット値のこと。

ますます、複雑になるデジタル機器において、デフォルトの設定は 非常に重要である。 初めて触る商品については何も知識がないので、 デフォルトの設定で使われることになるからだ。 商品の第一印象にも 影響を与えるだろう。 どちらの設定の方が使いやすいか、安全だろうか、 といった判断を、開発者一人だけが行うのは危険だ。


テレマティクス

車載向け情報端末のこと。または、携帯端末に提供するサービス。 通信の「Telecomunication」と情報処理の「Infomatics」の合成語。

交通情報だけでなく、運転を補助するITSシステムや、自動車の 故障状況の収集や、地域一般情報の提供など、車載向けの インテリジェンスな機能に対して呼ばれることが多い。

今後、PC並の高速プロセッサを搭載したテレマティクス・システムの 登場が予想されるが、運転中に使えるアプリケーションが少ないため、 投資を控える動きがある。


電子ペーパー

書き換え可能な薄い表示装置。 この実現にはさまざまな方面からアプローチがある。

紙の軽さと薄さと解像度に注目し、薄い材質の中に、トランジスタを 埋め込んたもの、トナーが埋め込まれているもの、紙のように 薄くした液晶などがある。 動画を再生できる薄い液晶もあるが、紙の特性ではないため、 電子ペーパーと呼ぶことは少ない。

電力を必要としないことに注目し、内容を変更するときだけ、 電源とつながったアダプタをつけるものがある。 JRのSUICAの 定期券の文字は、電子ペーパーの技術が使われているという。

ペンで書けることに注目し、薄型のタブレットPCも電子ペーパーと 呼ぶこともある。 タブレットPCは、印刷先に Windows Jurnal 形式 のファイルを指定することができ、こうしてできた電子ペーパーに ペンで自由に書き加えることができる。


熱伝導率

熱の移動のしやすさを表す係数。単位は一般に W/mK。単位の意味は、 1平方メートルの面を1℃冷たい1メートル先まで1秒で伝わる熱量。

ノートパソコンのフレームには、熱伝導率の高い材料が使われています。 ただ、パソコン関係で最もこのキーワードが使われるのは、CPUと ファンの間に塗るグリスの性能を表すときです。

空冷方式が多いため、空気は熱伝導率が高そうですが、空気自体の 熱伝導率は非常に低いです。空気が当たることでようやく熱が吸収され、 空気自体の流れによって熱を運びます。そのため、空気の流れが なければ、熱がたまっていきます。CPUとファンの間にグリスを 塗るのは、隙間に入る空気をなくすためでもあります。


パッチ

直訳すると修繕するという意味。ばんそうこうという意味もある。 プログラムの不具合を、一部だけ修正すること。 修正することをパッチを当てると言う。

パッチは、プログラム(サービスパック)または更新したファイルで 配られてきたが、最近は、メニューから選ぶだけで、インターネットを 通じてパッチが適用されるものが多い。

パッチの開発者にとっては、対応が早いほど良いとも限らない。 細かいパッチがたくさんできてしまい、ユーザがその管理に 追われてしまうためだ。新たな不具合を発生させてしまうこともある。 緊急性が低いときは、信頼性を持たせ、ある程度の規模を持ったときに 公開する方がいいだろう。 また、過去のパッチをまとめていく必要もある。 古いものを流通しないようにすることも必要だ。 また、ウィルス に感染したパソコンや、長い間パッチを当てていないパソコンなど、 社内・家内LANに接続できないパソコンのために、オフラインでも 適用できるパッチも用意する必要がある。


頒布権

売ったり貸したり渡したりすることをコントロールする権利。 「はんぷけん」と読む。

ユーザが容易に複製して流通できるような商品には、頒布権を 与えることにより、モノと同様のお金の受け渡しができるように することを、目的とした権利です。

ただし、頒布権を持っているのは、映画のみです。小説や CDや ゲームやソフトには頒布権はありません。頒布権があるかどうかの 判断は、裁判か立法によって決定されます。

著作者が配布をコントロールすることによって利益を守る一方で、 第三者の配布によって受けられる利益も失うことになります。


非接触ICカード

アンテナを使って電波で情報をやり取りするカード。磁気カードに 比べて情報量が多いだけでなく、暗号化ができたり、機械的な 読み取りミスも少ない。 カードの内部に電池を含んでいないので、 アンテナを使って電磁誘導で発電している。 密着型、近接型、 近傍型と各タイプが ISO で決められており、密着型であるほど データの転送速度が高い。


ビットレート

映像や音楽などを単位時間だけ再生するために必要なデータ量。 通常は、1秒間に何ビット転送するかを示す bps(Bits Per Second) という単位が用いられる。

ビットレートが高いほど高画質・高音質になるが、データ形式 によっては、逆転することもある。 たとえば、MPEG1 と MPEG4 では、同じビットレートでも MPEG4 の方が質が良い。

ビットレートが高いほど、高速インターフェイスや高速通信が 必要になる。


ビデオ・オン・デマンド

インターネットの双方向性に注目され始めたころから、好きな 映画が家にいながら見ることができる「ビデオ・オン・デマンド」 の形式がいろいろ検討されてきた。

まず、ケーブル・テレビ会社が、ケーブル・テレビを見るための セット・トップ・ボックスを改良して実現しようとするもの。 アメリカで行っているうわさは聞かれるが、少なくとも日本では、 ケーブルテレビ網が小さいために、成功していない。

一時は、マイクロソフトが Web TV を広く宣伝していたが、 あるケーブル会社が Linux を搭載した Triple Play を採用 したことなどがあり、ほとんど失敗に終わっている。

デジタルBS では、双方向性を生かした放送ができると期待されて いるが、それが魅力で、デジタルBS チューナーが売れたということは 聞かれない。

ビデオ・オン・デマンドの概念は簡単であるが、現状の 受身的な放送形式でも十分満足しているのではないだろうか。

最新の映画が来週に放映されるので待ち遠しい、というのは 多チャンネル放送でもビデオ・オン・デマンドでも変わらない ことも、その理由の1つだろう。


ファイルシステム

記憶装置に、任意のサイズのデータを配置し、ファイル名や ディレクトリ構造を持たせるしくみ。

ディスクは、サーフェス(面)×トラック(周)×セクタ(片) で分けられ、それぞれのクラスタと呼ばれる単位になり、 1つ1つに番地が割り付けられています。クラスタは、256バイト などの固定サイズになっていますが、ファイルシステムが複数の クラスタを組み合わせて、任意の大きさのデータとして扱うことが できるようにします。

Windows では、FAT16(File Allocation Table), FAT32, NT file system がありますが、VFAT(Virtual FAT)によって、 任意のファイルシステムがドライブごとに使えるようになっています。 このため、メモリカードやデジカメにつないでも、ドライバが VFATのインターフェイスに合わせてくれるので、Windows の エクスプローラから操作することができます。


フラッグシップ

旗艦、最重要なもの、の意味。ブランド力を高めるために、 相場価格や万人受けを度外視して発売する、技術力の高い 価格が高めの商品のこと。

為替レートから考えると価格競争では海外に絶対に負けるので、 ブランド力を高めることが重要だ。日本製は技術力やエコロジーが ブランドになりやすいが、それに限る必要はない。


フリーソフト

多くの方が様々な定義をしているが、無料、配布、または ソースの閲覧が自由であるソフトウェアのこと。

FSIJによると、以下のように、自由に扱えるソフトとなります。

フリーソフトといえば、無料というイメージがあります。 大きなサイトや雑誌では、イメージどおりの意味で使って いますが、まれに FSIJ の定義に従って、有料または 何らかの利益を得ているソフトウェアもあります。


フレーム

プログラムや Web サイトに送信するためにテキストを入力する ボックスや選択する項目がいくつかならんでいるもの。 ユーザ名や住所や電子メールを入力するものが一般的だが、 検索キーワードを入力するのも該当する。

フォームを用意することにより、単純なハイパーリンク以上の 相互通信が可能になる。 ダイアログ・タイプのアプリケーションの ウィンドウもフォームの一種である。 ブラウザでフォームが サポートされてから、アプリケーション・サーバや ASP という 概念ができた。

フォームを作成するためには、スクリプトやプログラミングの 知識が必須となる。


フレームワーク

あるシステムを作成する上で土台となるソフトウェア群のこと。

銀行や会計などのシステムは、各社それぞれが別々に持っているが、 開発元が多くを流用(再利用)して一部をカスタマイズして 提供することが多い。 OEM製品(他社ブランド製品)もそれに近い。

その再利用する部分をある程度まとめたものをフレームワークと呼ぶ。 フレームワーク自体を製品にするケースもあるが、多くの場合、 他社製フレームワークを使いこなすことは難しく、 自分や自社が以前開発したものを流用したほうが、柔軟で素早く 開発できることが多い。 そのため、SIerは、フレームワーク自体を 売るのではなく、自社で持っていることをアピールすることが多い。

実際、フレームワークは明確な形を持っていないことが多い。 バージョンが上がるごとに、対応範囲を増やす可能性が高い。 なぜなら、再利用する部分は、徐々に見つかって変化していくためだ。


マルチスレッド

1つのプログラムが複数の処理を同時に平行して実行すること。

コンピュータに多くの処理をさせるとき、1つ1つ順番に処理して いては効率的ではないことがある。 たとえば、映像と音声は同時に 再生しなければ、動画ファイルを見ることができない。

時間で区切って、複数の処理を実行すれば、同時に平行して処理 しているように見えるのだが、時間で区切ることをプログラミング しなくてすむようにするのが、マルチスレッド・プログラミングだ。

マルチ・プロセッサでは、時間で区切るだけでなく、物理的に 複数のプロセッサで平行して実行させる。 この場合、動画ファイル の再生ように平行にする必要があるからマルチスレッドにするのではなく、 性能を上げるためにマルチスレッドにするのだ。


ミドルウェア

Windows などの OS には無いが、多くのアプリケーションが使う 機能を持った部品的なソフトウェアのこと。 ミドルウェアによって、 早期に開発することが可能になる。

OSが機能拡張したことで、ミドルウェアからOSに変わった プログラムもあるので、相対的な定義となる。 Linux では、自分でインストールするものが多かったが、 Debian(Linuxの一種)など最近は、自動的にインストールされる ことが多くなってきている。


有機ELディスプレイ

STNやTFTなどの液晶表示装置に代わる次世代の表示装置として 期待されている。 液晶と異なり自発光するため、視認性、 省電力性、反応速度に優れている。 原理的に見て、液晶より 薄型にするのが容易である。organic ElectroLuminescence display。

明かりを消してもある程度の時間は光り続ける塗料を見たことが あると思います。 明かりのスイッチに付いていたり、星形の シールがそうなっていたりする、やや緑色の乳白色のあれです。 これは、リン光と呼ばれる物理現象で、明るいときに浴びて 得たわずかな光エネルギーだけで発光するので、非常にエネルギー 効率がよい物理現象です。

現在、有機ELディスプレイは、パソコン用のディスプレイに 採用されたものはありません。 おそらく、コストの問題と 思われますが、展示会などで見ると、800x480程度の解像度は 実現できており、液晶より明らかにきれいな映像なので、 近い将来、登場するでしょう。


ユニバーサル・デザイン

障害の有無、年齢、性別、国籍などのハンディを持った人でも 扱えるように、商品や設備を設計すること。 バリアフリーより 広い人々を対象にする。提唱者はノースカロライナ州立大学の ロナルド・メイス。略してUDという。

目の悪い人には音声ガイド、子供には低いボタン、足の悪い人には 段差のないバス、車椅子が通れる改札口、日本語にふりがなや 英語の表記など、多くの人が使えるようにすることが求められて います。

ただ、読みやすいホームページは、健康な日本人、アメリカ人、 目の悪い方、目の見えない方によって、そして製作者の都合に よって、アプローチが異なってくるため、すべてを満足させること ができないときにどう対処するかが難しいところです。


リアルタイムOS

処理が必要な時に、正確な時に処理ができるOS。RTOSと略す。

処理が大変なアプリケーションやドライバによって待たされる ことがなく、すぐに応答が必要な処理が組み込めるOS(基本ソフト) のこと。数分待たされる処理が速くなることはないが、 正確な時を扱うことができたり、ユーザがボタンを押しても 何も反応しないことがないようにすることができる。


リスペクト

尊敬という意味の英語 respect。少し前から音楽関係の話でよく使われる。 好きなアーティストと言ったときの「好き」と同義。 ソフトウェアでも、感動すれば開発者を尊敬するだろうが、リスペクトとは 言わない。 しかし、フリーソフトの開発者など、そういった立場にある 人は多くいる。 ただ、音楽業界とは異なり、ソフトが無料でなければ尊敬 されないことが多い。 マイクロソフトの底なき欲求によって、著作者への 利益は悪というイメージが作られたためだろう。


レンダリング

三次元グラフィックスにおいて、物体の表面を塗る際に、 陰面消去や光の処理や表面の材質などを考慮した描画を行うこと。 もしくは、単に三次元グラフィックスを描画すること。

画面表示を行うチップは CPU と同じように進化していて、 単に画面を表示するだけでなく、三次元グラフィックスに おいて必要な処理を高速に行う機能が搭載されています。 内部では、明るさや座標などの計算を大量に行っているため、 GPU(Graphics Processor Unit)とも呼ばれます。 高性能な GPU ほど、高品質で高速なレンダリングを 行うことができます。

多くの画素(ピクセル)から構成されている画像をラスター・ データと呼ぶため、レンダリングをラスタライズと呼ぶことも あります。